戸籍のある市区町村役場に登録し、発行される印鑑証明と印影を照合して本人であることを証明、権利を財産を守る大切な印鑑です。
■実印には「姓名彫刻」を推奨します:
「個人」を表す「姓名(フルネーム)彫刻」が最も望ましい様式ですが、「姓のみ彫刻」「名のみ彫刻」でも印鑑登録できます。
■実印の「名のみ彫刻」について:
特に「名のみ彫刻」の場合、将来「姓」が変わった場合でも、「姓」が彫刻されていないので、引き続きそのまま実印として使用できます。
■実印の「姓のみ彫刻」について:
「姓のみ彫刻」でも問題なく印鑑登録はできますが、「個人」を表す「名」が彫刻されていないので、「本人であることを証明する」ための実印としてお使いになるのは、あまりお勧めできません。
<銀行印について>
金融機関での預金口座開設の際に届け出て、通帳による窓口での預金引き出し、本人確認のために印影照合される印鑑です。
■銀行印にも「姓名彫刻」を推奨します:
「個人」を表す「姓名(フルネーム)彫刻」が最も望ましい様式ですが、実印との兼用は避け、サイズや書体を変えることをお勧めします。
もちろん「名のみ彫刻「姓のみ彫刻」の印鑑でも問題なく銀行印として使えます。
■銀行印の「名のみ彫刻」について:
特に「名のみ彫刻」の場合、将来「姓」が変わった場合でも、「姓」が彫刻されていないので、引き続きそのまま実印として使用できます。
■「名のみ彫刻」の文字配列について:
上か下に1列に並べると、どうしても文字が横広(横長)になり、横線間のスペースが狭くなることで、ともすると全体が窮屈な印象になりがちです。
そこで、昭和印鑑工房としては、印影の可読性を特に優先させる必要のない銀行印については、文字を右列→左列へ、各列1文字で配置する様式をお勧めしております。
■銀行印の「姓のみ彫刻」について:
「姓のみ彫刻」でも問題なく銀行印登録はできますが、銀行預金はあくまで「個人の財産」であるため、「個人」を表す「名」が彫刻されていない「姓のみ彫刻」はあまりお勧めできません。
また、大事な銀行印の印影が外部に流出することを防ぐため、他の役割のはんこ(実印・認印)との兼用は避けてください。
さらに、万が一盗難に遭ったときのために、銀行印は家庭内で預金通帳とはまったく別の場所に保管してください。
<作風の違い>
■田中角栄風/山川 太嗣作
「田中角栄之印」を手がけた鬼才・山本 石洲翁が最も得意としていた書体が「篆(てん)書古印」。
中国渡来の篆書と日本で生まれた大和古印体をミックスさせたものです。
太く伸びやかな篆書に、大和古印体独特の丸みを加え、さらには意図的に文字線の一部を欠落させる「虫食い」や、線が交差する部分を太く表現する「墨だまり」技法により、文字をより立体的、絵画的に表現する、極めて難易度の高い書体です。
京都在住の熟練手彫り印鑑・はんこ職人 山川 太嗣は亡き師匠独特の作風を長年の修練の末、自家薬籠中のものとしています。
■大平正芳風/小林 董洋作
大平元首相私印の彫刻を担当した昭和の名職人 小林 董洋師の作風の特長は、文字の重心が上部に集約されている点。
各文字の横画(線)を持ち上げ、上部に集中配置することで、文字の下部に意図的な余白を現出させます。
その空間を優美に舞う曲線はくっきり浮かび上がり、八頭身美女のような「脚が長く艶っぽい文字」となって、文字があたかも生きているかのような印象を与えます。
この偉大な父の作風を、息子・小林 董洋は10年にも及ぶ研鑽の末、完全に身に着けることに成功しています。
■鈴木善幸風/永田 皐月作
まず基本的に線の太さがほぼ一定で、スッキリとしています。
それでいて全体としては伸びやかで雄大な印象を受けます。
しかしよく見ると、どの文字線も微妙なカーブを描いていて、それが作品全体にどこか柔和なイメージを持たせています。
秀碩師が生前最も信頼を寄せていた愛弟子・永田 皐月は、亡き師とまるで一心同体になったかのように、師の最高傑作のひとつ「鈴木善幸」の整合性に富み、なおかつ伸びやかな作風も、実に忠実に再現し得ています。